こんにちはかさこです。
2018年の音楽業界を取り巻くニュースといえばタイトルにもある、あいみょん、米津玄師の紅白歌合戦出場とボヘミアンラプソディーの大ヒットではないでしょうか。
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あいみょんも米津玄師も枠組みとしてはロック畑の人間。
不作が続いていたロック畑になぜこれらのアーティストが生まれたのか、私なりの見解をお話しします。
タイトルのロックなんか聞かないはあいみょん『君はロックを聴かない』より引用しました。
ロック「なんか」という自虐
たとえば2017年の紅白に出場したSHISHAMOやwanimaと対比してみましょう。
これらのバンドを聴いてるファンはおそらくロックを聴いていることに後ろめたさなんかないでしょう。
教室でiPhoneから鳴らし、めっちゃいい曲と共感しあっていたに違いありません。
対するあいみょんや米津玄師を売れる前から知っている層はおそらく教室の隅っこで誰とも話さずヘッドホンをつけたまま寝たふりをしている彼らです。
ロックの良さを共感して貰えるはずがないと理解しているから。
あいみょんや米津自身もおそらくそうであったはずです。
君はロックなんか聞かないというワンフレーズは本来、そういった層にだけ響くはずでありメジャーシーンで共感を呼ぶはずなどないのです。
しかし、蓋を開けてみればYouTube2000万再生越え(2019年1月25日現在)。
あいみょんはメジャー街道へとのし上げられました。
なぜあいみょんは売れたのでしょうか。
歌姫不在の音楽業界
宇多田ヒカル、浜崎あゆみ、倉木麻衣、西野カナ、椎名林檎、安室奈美恵など音楽業界は常に誰かを歌姫として祭り上げなければいけないルールでもあるのでしょうか
長年その役割を担ってきた安室奈美恵が引退を発表、西野カナは活動休止とそのポストがごそっと抜け落ちました。
音楽業界が次の歌姫を探すそのタイミングとかち合うように台頭してきたのがあいみょんであったのではないでしょうか。
ネットマーケティングのうまさ
あいみょんと米津玄師の共通点を挙げるとすれば、インターネットを用いたマーケティングのうまさです。
米津玄師については知っている人も多いだろう。もともとニコニコ動画においてハチ名義でボーカロイドのプロデューサー(ボカロP)として作詞作曲はもちろん、アートワークやMVまで行い高い人気を誇っていました。
SSWの能力以上にネットを活用した自己プロデュース力の高さが彼を怪物たらしめる理由であるといえます。
あいみょんの成功はニッチな市場をついたマーケティング戦略にあります。
路上ライブ出身の彼女はメジャーシーンでは流せない放送コードギリギリ、生身の歌詞で注目を集め、SNSの拡散によって知名度を高めました。
その後もLINEでつくったリリックMVをYouTubeにアップするなど、徹底的にネット、SNSでのバズを意識した戦略で、現在の地位を築き上げたと言えます。
圧倒的にマイノリティである彼らをメジャーシーンにまで押し上げたのは紛れもなくネット社会に適応した彼らの戦略でしょう。
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菅田将暉という男の存在
ロック、それもパンクやポップロックではなく根暗でオタク気質なあいみょんや米津玄師がメジャーシーンと結びつきを持ったのかを語る上で最重要といっても過言ではない人物が菅田将暉です。
ニコ動出身でありながらロックシーンではすでに成功を収めていたと言える米津玄師が、メジャーシーンのトップに立つきっかけとなったのは『灰色と青』での菅田将暉との共演ではないでしょうか。
あいみょんも雑誌の対談で菅田将暉と親交を深め、菅田将暉がライブであいみょんのカバーを披露したり、彼がパーソナリティを務めるラジオANNに出演するなど、深い関係を持っています。
菅田将暉無くしてこの二人の現在の活躍は無かったと言えます。
ロックの潜在的需要
二人の活躍を通して見えてきたのは、ロックの需要は我々が思うよりもずっと大きいのではということです。
ロックなんかと自虐する裏返しにはロックの良さは普通の人にはわからないという選民思想が少なからず含まれています。
ロックの需要が想像以上に広いにもかかわらず、そこに携わる多くの人が選民思想を抱き、狭い檻にロックを押し込めているのではないでしょうか。
ロックがマイノリティのための音楽であったことは歴史から見ても明らかですが、一億総中流の時代から一部の富裕層が富を占有する経済格差の大きい時代へと変化した今、マイノリティ的思考こそがマジョリティへと変貌したと言えます。
この二人の成功が檻を破壊した今、ロックがより多くの人に共感される日はそう遠くありません。
売れるべくして売れる彼らの例は正しくそれを体現しています。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
ボヘミアンラプソディについてのお話は近いうちにアップしたいと思います。

それでは、
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コメント
[…] 「ロックなんか聞かない」時代にあいみょんや米津玄師が売れた理由とは […]