こんにちはかさこです。
たくさんのロックバンドがしのぎを削る中で、ここ数年で台頭してきたバンドのひとつに『teto』がいます。
今回はそんなtetoが注目される理由について、そしてパクリ疑惑についてお話したいと思います。
tetoの魅力とは?
まずはtetoの代表曲「拝啓」を聴いてもらいましょう。
まず演奏がキャッチーでありながらも、エモーショナルに歌い上げる力強いサビと裏声のコーラスの対比。
初見でも首を振りたくなるリズムが心地いいです。
音源以上にライブ栄えする曲だと思います。
私がこの曲で一番注目したのはその歌詞です。
軽視されがちな作詞の技術
古くは「バンドやろうぜ」、楽器屋の掲示板、OURSOUNDSをはじめとするバンドメンバー募集サイトで昔からよく見るアレ
バンドメンバー募集、プロ志向
当方ボーカル、作詞できます。楽器経験なし
Vo.以外全パート募集、作曲できるメンバーのみ
ついついツッコミを入れたくなってしまいますが、20年近く同じような募集が存在している事実。
楽器ができないことやそれでプロ志向であることには今回目をつむります。
しかし、どうしても許せない点があります。
作詞なめすぎ。
適当にポエム書けばそれでいいと思っているその姿勢が気にくわない。
その点でtetoの作詞技術はお手本ともいえるほどすばらしいです。
ボーカルも楽器である
以前別の記事でも書かせていただいたが、ボーカルもひとつの楽器だと考えています。
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作詞をする上でメロディとしての役割を意識することはもちろん、リズムの役割まで意識されている楽曲は聴いていて非常に心地が良いです。
リズムを生み出す作詞技術のひとつに押韻があります。
ラップなどではよく用いられるいわゆる韻を踏むというものです。
もう一度『拝啓』のAメロを聴いてみてください。長い韻を踏むわけではありませんが、ほとんど3音ごとに母音が「い」で踏まれています。
メロディなしでこの歌詞を読み上げてみてください。それだけでなんとなくリズムが生まれます。
Bメロでは「あ」の頭韻、脚韻を踏みながらリズムがとられています。
サビでも一番叫ぶ最高音のところに「掃いて」と「出会いで」(母音aie)で踏むことによってより印象に残りやすくなっています。
また母音aは叫びやすいため、サビで用いることは非常に理にかなっています。
同じく韻を踏む歌詞が特徴的なバンドとして『my hair is bad』があります。
ボーカルの椎木知仁さんのソロ楽曲『大人になってこそ』ではもっと長い韻が掛詞のように用いられているのがわかります。
歌詞の技術は語られにくいですが、売れているバンドはやはりこういったところにも技術が感じられます。
tetoのパクリ疑惑について
ここまでお話してきたように若手バンドの中でも抜きん出てすばらしいtetoですがある楽曲に対して盗作疑惑が出ました。
その楽曲がファーストミニアルバム「dystopia」に収録されている「teen age」です。
これが現在は解散してしまったAPRICOTというバンドの楽曲「town town」に酷似していたのが話題となったのです。
これに対しすでに「teto」の公式サイトから文書が発表されています。
teto作詞作曲のボーカル小池はこの曲からインスパイアを受け作曲したことを認め、APRICOTのメンバーに直接会ってお話しし、問題は解決したようです。
パクリについて私なりの考え
パクリということに過剰に反応する方は多いですが、そもそも楽曲の固有性をどこまで認めるかは非常にあいまいなところがあります。
この楽曲に関してもスピッツ「チェリー」や森山直太朗の「さくら」など大ヒット曲で数多く用いられている「カノン進行」と呼ばれるコード進行が用いられています。
また、尊敬するアーティストへのリスペクトを込めてそのメロディや歌詞を引用するという手法も山のようにあり、今回もそのひとつではあったわけです。
HIPHOPはとくにサンプリングといって過去の楽曲をそのまま音源の素材として用いたりします。
過去にはORANGERANGEが盗作だと騒がれたことがありますが、音楽の文化に関して詳しい方はそういったサンプリングありきで楽曲を楽しんでおり、サンプリング元がわかることがむしろ誇りであったりもします。
ではなぜ今回問題となったのかですがその元楽曲の認知度が低いこと、そしてそれを公言しなかったことでファンやアンチが過剰に反応してしまったことにあります。
パクリとオマージュは紙一重の関係ではありますが、そのリスペクトをいかに示せるかの一点に尽きると思います。
tetoも今回の件でもう少し配慮ができればよかったですが、それを除いても彼らの音楽はすばらしいですので、折れることなくがんばってもらいたいと思います。
teto、音楽をとめないで
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